少し小さめの柴犬のチー。うちにきてから15年。
いつもいい子だったチー。交通事故にあっても何とか助かった命。
でもイルカのようなジャンプはできなくなったし、後ろの片足をあげて走るようになった。
しっぽをいつもちぎれんばかりにふって、うれしくてたまらなさそうで、ぼくたちのことを心から信じていたチーだった。
チーは食道がんになった。
後四ヶ月でしょうと言われた。
息が苦しそうで、大きく波打つ胸をみているとぼくたちの胸もつまった。
悲しみは重なるものだ。家内のお母さんがなくなった葬儀の日。
ぼくたちが出かけている間にチーも逝った。
動かなくなった体を撫でてやりながら、涙がポロポロとこぼれた。
まだ濡れた鼻先を撫でながら、涙が頬を流れ落ちた。
苦しまずに逝けたのだろうか。静かに目を閉じたチーの顔をみながらそう思った。
もうしっぽを振ることもない。あの人なつこい無邪気さを見ることもできない。チーにかけた毛布の横に小さなローズマリーを手向けてぼくたちはずっとずっと体を撫でていた。
もう開かないチーの目や、息をしていない鼻をいつまでも撫でていた。
ぼくの子どもたちが小さな頃からずっといっしょに暮らしてきた。
たくさんの散歩、たくさんの抱っこ。
15年はあっという間だった。
天国でも、きっと無邪気で人なつこくて誰からも愛されているだろう。
ぼくたちの大切なチー。
おまえといっしょの、15年はぼくたちにとってかけがえのないものだったよ。
本当にありがとう。
ぼくたちのかわいい
小さな命によせて
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