ナルニア国物語をほとんどの人が「ライオンと魔女」から入ると思うが(そうでもないのかな?)、ぼくのナルニア国物語の
入り方は、小学校5年生のときに初めて読んだこの「あさびらき丸東の海へ」だった。だから、変則的と言えば変則的だった
のだが、それでもたちまちナルニアの魔法につかまってしまったのは言うまでもない。
ネズミの勇者リーピチープや、航海の途中で出会う不思議な一本あんよの小人など、とにかく夢中で読んだのを覚えている。
四人兄弟のピーターとスーザンは出てこないが、その代わりににへんくつないとこのユースチスが登場する。こんなにおもしろい本がこ
の世にあるのかと思った。あさびらき丸の航海はたちまちのうちにぼくをナルニアの大ファンにしてしまった。
その後すぐに全巻を買ってもらって、いっきに全部読んでしまった。ナルニアを知ることになったこの本は、そういう意味で
も思い入れがある。最後にさいはての東の海に消えていくリーピチープの小さな船の挿絵も心に残っている。
ナルニア国物語の話をすればいろいろな場面が浮かんでくるが、この場面も印象に残る場面だろう。どの巻も何度も読み返し
たが、一番読んだのが「ライオンと魔女」と「最後のたたかい」かもしれない。「ライオンと魔女の」石舞台の不気味さと、
「最後のたたかい」の、フィナーレの高揚感は何度読み返しても心ふるわせるものがある。
子どものときにナルニア国物語に出会えたことはぼくのしあわせの一つだろう。大人になってアスランの石舞台での行為の意
味がわかったが、それはまた後の話である。
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