2011年5月17日火曜日

ストーカー

NHKニュースより

17日午後、神戸市の神戸学院大学で、女子学生と警察官が相次いで男に刃物で刺されるなどしてけがをし、男は殺人未遂の疑いでその場で逮捕されました。男は女子学生の元交際相手で、女子学生が「ストーカー被害を受けている」として警察に相談していたということです。

17日午後2時40分ごろ、神戸市西区の神戸学院大学の正門付近で、大学の21歳の女子学生から「男ともめている」という通報を受けて駆けつけた警察官が、この女子学生から話を聴こうとしたところ、男が近づいてきて、女子学生の脇腹をいきなり刃物で刺し、さらに40歳の男性警察官の足に切りつけたということです。2人は病院に運ばれ手当てを受けていますが、意識はあるということです。警察は、埼玉県鳩ケ谷市の無職、伊崎義晃容疑者(25)を殺人未遂の疑いでその場で逮捕しました。調べに対し、伊崎容疑者は「女子学生を殺すつもりで刺した」と供述しているということです。伊崎容疑者は女子学生の元交際相手で、ことし3月に神戸学院大学を卒業しましたが、女子学生が「ストーカー被害を受けている」として警察に相談していたということです。このため、警察は先月、伊崎容疑者に対して、女子学生に近づかないよう警告を出していたということで、警察は、事件のいきさつなどを詳しく調べています。


ストーカーの心理分析として

精神科医の福島章は、『新版 ストーカーの心理学』(2002年)にて、ストーキングを行う者の心理を以下の5つに分類して考察している[3][4]。

1つめは『精神病系』。精神病によって抱く恋愛妄想、関係妄想によってストーキングを行う[5]。現実には自分と無関係の、スターに付き纏うようなタイプが多い[6]。警察庁の統計によれば、ストーカーに占める精神障害者の割合は、0.5%である[1]。

2つめは『パラノイド系』。妄想によりストーキングを行うが、妄想の部分以外は正常で、話すことは論理的で[7]、行動は緻密であることが多い[8]。現実の恋愛関係の挫折による付き纏い行為もあるが、現実には自身と無関係の相手に付き纏うタイプが多い[6]。

3つめは『ボーダーライン系(境界人格障害)』。性格は外交的・社交的[9]で、「『孤独を避けるための気違いじみた努力』が特徴」[9]で、病気ではなく[10]、人格の成熟が未熟で、自己中心的で、他人・相手の立場になってみてものを考えることが出来ないタイプで[10]、このタイプの人は精神医学の専門家でない人が想像するよりも世の中に多い[10]という。人間関係は濃く[9]、相手を支配しようとするところに特徴がある[11]という。

4つめは『ナルシスト系(自己愛性人格障害)』。自信・自負心が強く、拒絶した相手にストーキングするものが多く、行動的な分類からは『挫折愛タイプ』に属するものが多い[12]。現実の人間関係は深い[9]。

5つめは『サイコパス系(反社会的人格障害)」。被愛妄想を持つ(相手が自分を好きであると信じる)のではなく[13]、自分の感情・欲望を相手の感情と無関係に一方的に押し付けるタイプで、性欲を満たすための道具として相手を支配する[14]ものが多い。「凶悪・冷血な犯罪者」[15]「典型的な犯罪者」[15]というイメージが特徴で、人間関係は強引で、「相手に『取り憑く』能力を持っている」[15]ことが特徴であるという。

福島章の『新版 ストーカーの心理学』(2002年)によれば、すべてのタイプのなかで、男女を問わずストーキングを受けた者が最も困難に陥れられるタイプは、ボーダーライン型であるという[16]。DSMで、境界人格障害(ボーダーライン系)・演技性人格障害・自己愛性人格障害(ナルシスト系)・反社会性人格障害(サイコパス系)は『不安定なグループ』に分類される[17]。
福島は、ストーカー一般の特徴として、『被愛妄想(エロトマニア)』という言葉を挙げている。福島は、自分が相手を好きという感情は、どんなに強くても恋愛感情であって恋愛妄想ではない、妄想とは、証拠・根拠がないのに相手が自分を好きであると信じる、逆に相手が自分を嫌っている証拠・根拠があっても相手が自分を好きであると信じる、信じて疑わないことである、と述べている[18][19]。また、ストーカー一般の特徴は、拒絶に対する過度に敏感な反応であり[9]、すべてのタイプに共通するところは、相手の感情に想像力を働かせない、甘え、思い込み、欲求不満を攻撃に替えて解消する、というところだという。

ウィキペディアより

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