これもぼくが小学校の時の事である。
ある冬の日、前の夜に雨がたくさん降った。その次の朝のこと、今でいう放射冷却で水たまりだらけ
だった運動場は一晩のうちに大きなアイススケート場に変わっていた。ぼくたちが喜んだのなんのっ
て。運動靴をはいて運動場に出たぼくたちは一面の銀色の氷を見てワクワクドキドキが止まらな
かった。今までにこんな経験をしたことは初めてだったから。つるつる滑る氷の表面におそるおそる
足を入れてみて、その滑り具合を確かめた後、ぼくたちは運動場で滑り始めた。もちろん、スケート
ぐつで滑るようには滑れなかったが、ツルツルの氷の上をスーッと滑って行く感じは僕たちを有頂天
にした。
ほっぺを真っ赤にしながら楽しくて仕方なかったのを今も覚えている。滑って転んでは手袋やおしり
が少ししめってしまったけれども、そんなことはたいした問題ではなかった。運動場中ではしゃぐ子ど
もたちの声がひびいた。先生方も何人か出て来て一緒に楽しんでおられた姿も見かけた。
ピカピカだった運動場も、一時間目が終わる頃には太陽の光でぐしゃぐしゃの水たまりに戻り、朝の
楽しかったスケート大会も終わりを告げた。その後そういうことは一度も起こらなかったから、ほんと
に貴重な思い出の一つになっている。
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