今も続く、福島第1原発の復旧作業の過酷な実態が明らかになった。体育館で防護服を着たまま仮眠するなど、現場に寝泊まりをしながら、懸命の作業が続いている。
愛媛大学の谷川 武教授は「(作業員の方々は)相当、気を張ってやっています。中には(震災時)津波が天井まで来て、九死に一生を得た方も...。体育館の中で、寒いところ、硬いマットの上で」と話した。
福島第2原発の体育館で休む、第1原発の作業員たち。
耐熱シートの上に毛布のようなものを敷き、白い防護服を着たまま寝る状況が続いているという。
そして、寝ている横に置かれていたのは、段ボールの山。
食事は、カップめんやレトルト食品のみだという。
これらの写真を撮影したのは、20年来、福島第1・第2原発の非常勤産業医を務めている愛媛大学の谷川教授。
4月16日に、対策拠点の「Jヴィレッジ」に入り、その後、福島第2原発内の医療対策室で、現場作業員の診察を行った。
作業員のメディカルチェックをした谷川教授は「福島第1・第2の作業員の8割くらいが、被災者なんです。そういう状況にありながら、今まで復旧作業に従事してきて、2重・3重のストレスを感じています。だいたい皆さん、1~2回は倒れています」と話した。
高い放射線量の中で、ぎりぎりの作業を迫られている作業員たち。
現場で寝泊まりをしながらの作業が続いているという。
谷川教授は「最近は、4勤2休という態勢。今は少し落ち着いて、定期的に、短いが休憩を取る時間、家に帰る時間ができた」と話した。
その一方で、谷川教授は「まずですね、衛生環境。防護服を着て、さらに全面マスクをはめて、そうすると汗もかくんですね。今現在は寒いくらいですけど、やっぱり中は暑い。お風呂に入れない、シャワーも浴びられない。今はそういう状態です。早急に簡易のお風呂が必要」と話した。
保安院は3月28日、「会議室ですとか、廊下ですとか、そういうところに毛布1枚を支給してもらって」と話していた。
かつては、食事は1日2回で、朝食はビスケットと野菜ジュース。
夕食も非常用のご飯1パックと、サバなどの缶詰1つだけだった。
谷川教授は「(現在)食事と寝るところは確保されている。(食事は)現在も、レトルトと缶詰」と話した。
現在は、食事は1日に3回。
谷川教授は「(現場ではどんな声が?)現場は現場で、相当、一生懸命やってるんですね。本店からの要求というのは、現場からすれば、『そんなのすぐに無理だろ?』ってことが、続々と来るわけですね。できることと、できないことがある。(本社へは)『現場の声をきちんと理解する』(という声がある)」と話した。
作業員の待遇のさらなる改善策が求められる中、福島第1原発2号機では19日、「トレンチ」などにたまっている汚染水の処理施設への移送が始まった。
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