黄砂現象とは、東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯から強風により大気中に舞い上がった黄砂粒子が浮遊しつつ降下する現象を指します。日本における黄砂現象は、春に観測されることが多く、時には空が黄褐色に煙ることがあります。
黄砂現象発生の有無や黄砂の飛来量は、発生域の強風の程度に加えて、地表面の状態(植生、積雪の有無、土壌水分量、地表面の土壌粒径など)や上空の風の状態によって大きく左右されます。黄砂粒子はいったん大気中に舞い上がると、比較的大きな粒子(粒径が10マイクロメートル以上(1マイクロメートルは1ミリメートルの千分の一の長さ))は重力によって速やかに落下しますが、小さな粒子(粒径が数マイクロメートル以下)は上空の風によって遠くまで運ばれます。例えば、東アジアが起源の黄砂粒子が太平洋を横断し、北米やグリーンランドへ輸送されたことも報告されています。
黄砂対策は、花粉症対策より難しい?
黄砂の粒子の大きさは花粉の10分の1、小さいため中国から簡単に飛んできてしまうのです。たくさんの黄砂が呼吸器系に入り込んでしまうので、気道が敏感な人だと「咳や喘息発作が起きるかもしれない」と言われています。その成分も化学物質や、大気汚染物質、病原体などさまざまなものが含まれている可能性があるため、皮膚の弱い人やアレルギー体質、気管支喘息の人にとっては脅威。
花粉対策用マスクだと粒子の小さな黄砂は通り抜けてしまうことになり、そのうち「黄砂用マスク」が販売されるかもしれません。対処としては花粉と同じく、マスクや眼鏡をかける、外に洗濯物を干さない、家の中では空気清浄機を設置することなどが考えられます。
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