「人はどれだけ土地がいるか」
これは、ロシアの文豪トルストイの書いた民話。
商人に化けた悪魔が、一日の内に歩いた分だけ土地をあげようと持ちかける。
パホームがこれに挑戦する。
お日様が出たときに杭をそこに打ちくいを持って歩き始める。
自分が歩いて囲んだだけ土地がもらえる約束。
できるだたくさんの土地をほしがったパホームは
折り返すまでずいぶん歩いた。
だから、日が暮れかかろうとするときに
元の場所に戻っていないといけないのに
あまりに欲張ったために遠くへ来すぎた。
このままだとパホームには少しの土地も手に入らない。
必死で走るパホーム。
日が暮れるまでになんとしてでも最初の場所に着かないといけない。
死にものぐるいで走り続けるパホーム。
そして、日が暮れかかる寸前に元の場所にたどり着く。
しかし、たどり着いたとたんパホームはばったりと倒れて死んでしまった。
パホームに必要だったのは彼を埋める少しの土地だけだったという話。
何とももの悲しい話である。
子どもの時に読んだときは、欲張ったら損するんだぐらいの感想しかなかったが、
大人になった今、人の欲望の悲しさを思う。
トルストイの民話の中ではイワンの馬鹿と同じくらいに思い出すのはこの話。
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