2011年3月17日木曜日

被曝とは

被曝(ひばく)とは、人体が放射線にさらされることをいう。被曝したときの放射線の量は線量当量(または単に線量)で表す。線量当量の単位はシーベルト、Sv。ただし、短時間の高線量被曝に対しては生物学的ガンマ線相当線量(単位グレイ・イクイバレント、GyEq.)が用いられる場合もある。

被曝は人体表面からの被曝である外部被曝と、経口摂取した放射性物質などで人体内部が被曝する内部被曝に分類される。また、人体は天然に存在する放射線源に被曝しており、これは特に自然被曝と呼ばれる。天然に存在する外部被曝源としては宇宙線や地殻からの放射線があり、内部被曝源としてはカリウム40や炭素14のような天然に存在する放射性同位体がある。近年では日用品に含まれる放射性物質の影響の問題がクローズアップされている。(ウィキペディアより)

急性放射線症: 多くの場合、全身に放射線を浴びた人にみられます。急性放射線症はいくつかの段階を経て進行します。初期症状(前駆症状)から始まり、症状のない期間(潜伏期)が続きます。その後、受けた放射線の量に応じてさまざまな症候群(一連の症状パターン)が続きます。放射線の量が多いほど症状が重くなり、初期症状からその後の症候群まで短期間で進行します。放射線の照射量が同程度であれば、症状や時間的な経過には個人差はあまりみられません。したがって放射線の被ばくの程度は、発症のタイミングと症状から予測できます。急性放射線症候群は、影響を受けた部位によって3つに分類されますが、これらが重複して起こることもよくあります。

造血器症候群は、主に血球の生成(造血)にかかわる骨髄や脾臓、リンパ節が放射線の影響を受けた場合に起こります。2グレイ以上の放射線を浴びると、2〜12時間後に食欲不振、無気力、吐き気、嘔吐が現れます。被ばく後24〜36時間以内にはこうした症状がいったん消失し、その後1週間程度は体の調子が良くなります。この間にも骨髄、脾臓、リンパ節にある造血細胞は消耗していきますが、新たにつくられることはなく、重度の白血球の欠乏が起こります。引き続いて血小板や赤血球も不足します。白血球が欠乏すると重度の感染症が起こります。また血小板の不足によって出血が止まらなくなります。赤血球の不足(貧血)は疲労、脱力、血色不良を引き起こし、体を動かすと呼吸が苦しくなります。4〜5週間後、患者がこの間に死に至らなかった場合には血球の生成が再開されますが、数カ月間は脱力感と疲労感が残ります。

胃腸症候群は、放射線が消化管の内層の細胞に影響して起こります。4グレイ以上の放射線を浴びてから2〜12時間後に重度の吐き気、嘔吐、下痢がみられ、結果として重度の脱水症状が起こります。しかし2日後にはこれらの症状はいったん消失し、その後4〜5日間は体の調子も良くなります。しかしこの間に、通常は人体の保護壁として働いている消化管内層の細胞が死んではがれ落ちていきます。この期間を過ぎると、血の混じった重度の下痢を生じて再び脱水症状を起こします。また消化管から体内に細菌が侵入し、重い感染症を起こします。胃腸症候群の患者は造血器症候群も併発することが多く、出血と感染症により死に至るリスクが高くなります。

脳血管(大脳)症候群は、放射線の総量が20〜30グレイを超えたときに生じます。患者は錯乱、吐き気、嘔吐、血の混じった下痢、ショックを急速に起こします。数時間で血圧は低下し、けいれんが起こり、昏睡状態に陥ります。脳血管症候群は、ほとんどが死に至ります。
(メルクマニュアル医学百科より)


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